COLUMNコラム
まじめ
ブランディングの認識01
ブランディングを「知っている」とよく聞くのですが...
『ブランディング』という言葉をあたり前のように耳にするようになりました。
セミナーや書籍等で学んだり、ネット等の記事で触れたことのある方も多いのではないでしょうか。しかし,..その本質まで理解できている方はどのぐらい存在しているのでしょう?
「聞いたことがレベル」「人に伝えられるレベル」「実行できるレベル」…それは人それぞれです。
そこで今回は、今や当たり前になりつつある「ブランディング」の認識について、改めて触れたいと思います。
そもそもブランディングって何?
そもそも『ブランディング』とは何なのかから考えてみましょう。
ブランドとは、『顧客にとっての高い価値』であり、ブランディングとは、単なる差別化ではなく、他との違いをつくるだけでもない、「サービス・商品・企業が選ばれるための価値づくり」であると考えます。ブランドにおいて重要なことは、『価値』なのです。
そこで、ブランディングに向き合うにあたり、まずはブランドを形成するための『価値』について知っておきましょう。
1.機能的価値(必要性・機能・利便性等)
サービス・商品の性能や品質等のことです。車なら、加速性能や静粛性、食品なら味や香り、舌触り等にあたります。
2.情緒的価値(コンセプト・ストーリー・キャラクター・デザイン)
人が何かに憧れを感じるとき、その何かの機能面だけではなく、その何かを持つことで覚える誇りや優越感、利用することで感じる安堵やワクワクなどの感情が羨望の的となります。そういった情動に訴えかける、ブランドオーラとも言うべき価値のことです。この情緒価値が提供できない企業組織は、ブランドとして成功することが非常に困難です。
3.自己表現的価値
商品・サービスを所有したり体験することで得られる、自己表現・自己実現に対する価値です。
機能的価値 × 情緒的価値 × 自己表現的価値 = 唯一無二 = ブランド
いずれかの価値のみを高めるというのではなく、以上の3つの価値の形成によって『顧客にとって唯一無二の存在』と呼べるものがブランドであり、『3つの価値』を戦略的に創り上げることがブランディングという作業なのです。
そもそもなぜ必要?
仮に、顧客がサービス・商品を選択する基準が、価格や機能、デザインの好みだけだったとしましょう。すると、それを上回る商品の出現や流行等により、簡単に人が他者サービス・商品に流れていってしまったり、価格のみで商品を判断されてしまったりと、とても不安定な状態になってしまいます。こうなってしまっては、常に顧客の奪い合いです。
しかし、ブランドが出来上がってしまえば、価格に関係なく選ばれるようになるだけでなく、次のようなメリットが生まれるのです。
【ブランディングのメリット】
・高単価でも商品が売れる状態生まれる
・継続的購買・リピート率の向上
・真似出来ない差別化
・利益率の向上
・無駄な広告費の削減 等々
価値を認めてくれる方だけが顧客になることで、価格等の一部だけで判断されることがなくなり、利用顧客の継続的購買も期待できるようになります。さらに、顧客の奪い合いのための広告を行う必要がなくなり、結果として、顧客奪い合いのための余分な広告費がかからなくもなります。などなど…様々なメリットが期待できるのです。…すごいですね。
最後に…
ブランディングデザイン等の表面上を創り上げることがブランディングではありません。デザインの良さだけで選ばれているようではブランドとは呼べません。デザインは、あくまでブランドを形成する価値を創り出すための一要素でしかないのです。私たちは、サービス・商品・企業の目的・課題を本質から理解した上で、デザインだけでなく、価値を創り出すことからお手伝いできればと常々思っていいます。
次回はブランディングをカタチにするステップをご紹介したいと思います。
制作部 久保田 健一