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Less is moreというデザインの思考

Less is moreとは?

こんにちは、デザイナーの今野です。
今回はデザイン業界で古くから言われている”Less is more”という考え方について書こうと思います。(3回目にしてようやくコラムらしいコラムとりそうな予感!)

 

 

 

さてこの“Less is more”とは一体何かと言うと、直訳すると「少ない方が豊かである」という意味で、1950年代頃〜活躍していたモダニズム建築を代表するドイツの建築家ミース・ファン・デル・ローエの遺した標語です。(他にも”God is in the detail(神は細部に宿る)”なんて言葉も遺しています。)

そんな“Less is more”という考え方ですが、さらにざっくり雑に表現すると「デザインはシンプルな方が良い」ということです。ミニマルデザインなんて表現されたりもしていて、特にWebサイトなどではフラットなデザインに次いで再び注目を集めているデザインテイストでもあります。

確かに美しく洗練されたデザインは足し算の思考よりも引き算の思考が顕著に表れていてシンプルですし、優れたCDやADほどシンプルなデザインを提唱している気がします。

 

 

 

ミニマルデザインが良いとされる3つの理由

 

まずはじめに断っておくと、必ずしもシンプルなデザインが良いというわけではありません。
弊社で扱うアミューズメント系案件などは最たる例で、広告や装飾などはシンプルじゃない方がエンドユーザーの食いつきも良く、また効果的とされています。
何事にもケースバイケースというものがありますが、以下では「デザイン」という言葉の定義を「対象物の本質を引き出してより良く伝えるために設計をすること」とした上で記していこうと思います。

 

 

1.コミュニケーション性が上がる

脳科学的観点によれば、人は広告やデザインなどを目にした時、20%程度しか記憶に残らないそうです。言い換えれば、無駄な要素を省いた方が「伝わる」ということです。
ロゴなどもシンプルな方が覚えやすいですよね。ナイキやApple、マクドナルドなどはパッと思い出せるし、記憶スケッチが出来るのではないでしょうか。

 

 

2.コストの削減に繋がる

些細なことかもしれないですが、シンプルなデザインはコスト削減にも大きく貢献します。
例えば、グラフィックデザインで言えば、使用する画像や色が少ない方がファイルサイズやPCのメモリー、インク量や印刷時間の節約になりますし、プロダクトデザインなら、作り出されるまでの行程やパーツなど時間と金額面でのコスト削減に繋がります。Webサイトであればソースコードがシンプルなほどロード時間は短縮されますし、見る方にとっても迷いが少なくストレスフリーなサイトになります。

 

 

3.ロングセラーになりうる

トレンドを追いかけただけのデザインは時代とともに廃れ「ダサい」印象を持たれがちですが、無駄を省いた基本に忠実なデザインは、何年たっても愛される普遍的なもので有り続けることが出来ます。
これはグラフィックやWebよりもプロダクト的なものの方が如実にあらわれる部分かもしれません。カリモク家具や無印良品などは“変わらないシンプルさ”が愛され続けている大きな理由なのではないでしょうか。


カリモクの代表的なソファ:Kチェア

 

 

 

しかし、ミニマルなデザインは難しい。

 

 

ミニマルなデザインが良いとされる理由を記してきましたが、そんなミニマルなデザインは見た目以上に難しいものです。
本当に必要なものは何かを見極め、精査し、要素を絞り込んでいく。その引き算の作業によって残った少ない要素で「伝わる」ように仕上げていくー。
要素が少ない分、退屈なデザインになってしまう可能性も大いに含んでいます。そうならないようにまとめるのが、CDやAD、デザイナーの悩みどころ(腕の見せ所)でもありますね。

“Less is more”の思考をもとに、奥が深い“シンプルなデザイン”を上手く活用して対象物に価値を付加していけるよう、楽しみながらデザインをしていきたいと思う筆者なのでした。

 

 

 

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